月の光のような、存在になりたい

渡邊浩治(40) / barnitas / 下北沢 / 東京

 

小遣い稼ぎと、ボストンクーラー。

高卒で会社に就職。東京で友達ができ始めると、お金が足りなくなった。

その時もうひとつ仕事を始めればいいと思って、本当に小遣い稼ぎくらいの感覚で、個人経営の居酒屋でバイトを始めました。

ある時、見よう見まねで、初めて自分でカクテルをつくって飲んでみたんです。

その時のことは鮮明に覚えていて、ボストンクーラーという名前のカクテルでした。

初めてつくったカクテルが、今まで居酒屋で飲んだお酒の中で一番美味しくて、それがお酒に興味を持ち始めたきっかけでした。

 

 

自分探しと、自分の証明。

その後、自分はずっとサラリーマンなのかなっていう素朴な疑問と、都内で受けたいろいろな刺激の影響で、何かもっと違うことができるんじゃないかという自分探しを始めた。

でもやっぱりカクテルをつくった楽しさは覚えていて、それでバーで働きたいと思うようになりました。

3年間いろいろな仕事を経験してたとき、ある日ホテルニューオータニで勤めていた友達から、「バー事業に空きが出たからそこに入らないか」と誘いを受けた。

それをきっかけに、ニューオータニ内の和食バーで7年と3ヶ月間、ホールやデシャップ、会計の仕事をしました。

でもある年にバー事業の縮小化が決まった。一通りのことは学び切ったと思ったので、今度は外の世界で働いてみたいと思って転職したんです。

 

そのあとは西麻布のバーで2年間働いたんだけど、なかなか周りとうまくいかなくて、最終的に元々憧れていた恵比寿にお店を新しく開業することになりました。

様子見でとりあえず半年間店をやろうと、友達と始めた。

そこでも色々な経験をして、半年経った時点で引き際だと感じてお店を閉めることにしたんです。

その後はこれからのことも考えつつ、父親が働いている配達業者で働いていました。

 

西麻布での経験もあり、「自分のやり方ってそんなに間違いじゃない」ってことを証明したい。

そんな想いから、もう一度開業することを決意して今度は下北沢でお店を持つことに。

6年と9ヶ月の月日をその店で過ごし、2018年4月26日に満を持して今のお店に移りました。

 

 

月の光のような存在に。

このお店の立ち位置は、本当に大切にしている。

店を移転する際、店を法人化しました。会社名は、株式会社つきひかり。

なんでその名前かというと、自分の存在の立ち位置を月の光くらいにしたかったからなんです。

真っ暗だととても必要だが、陽が照っているときは必要ない。そんなもんでいいのかなと思っている。

 

バーは、家と会社/学校との中間の場所だと考えてるので、お客さんにはまさに第三の居場所として使ってほしい。

その日のことを整理する場所であり、一息つける場所だと思うからこそ、ノーチャージでやっています。

言い方は難しいんだけど、正直お酒は二の次。もちろんこだわってないわけじゃないんだけど、あたりまえに大事にするもの。そういう意味で二の次。

お酒飲めない人だって、もちろん歓迎しています。

 

 

若者へ、伝えたいこと。

失敗を楽しんでほしい。情報がありふれている今の時代、みんなは描きすぎてから行動に移しているように感じます。

カクテルを飲むにしろ、お酒と向き合うにしろ、失敗してもいいと思う。

自分に合わないお酒を選んでしまってもそれでええやん。

「やべー、失敗したっ」って感覚も楽しんでほしい。第六感で楽しんでほしい。

 

そういうことを楽しめていたら、嫌なことって少なくなると思う。

思い通りにいかないのが当たり前なんだからさ。

 

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渡邊浩治(40)

下北沢 / 東京

趣味:カメラ / 漫画

 

barnitas

営業時間:20:00~02:00

定休日:不定休

最寄り駅:下北沢駅

住所:東京都世田谷区北沢2-33-11 SY-Ⅰ2F

TEL:03-5790-7322